ジャカードのソフト屋さん 2015年01月
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I社のこと 4

私は、独立する前はほとんどパソコンをいじったことがない、仕事的にも織物にかかわったことがない人間でしたので、一週間の講習で身につくはずもなく、その後は、お客様から怒られ(教えていただき)ながら少しづつ、パソコンのこと、ソフトのこと、織物のこと、業界のこと(←ココ一番大事)を覚えていきました。

その当時、I社のソフトはDosだったかWindows3.1だったかで動いていました。新たにWindows95のソフトが開発中でした。

さて、I社の優れていた点を一つ。それまでDosの世界では、アプリケーションソフトがパソコンを支配していました。Windowsになると、Windowsがパソコンを支配することになり、アプリケーションソフトはWindowsから呼び出されることになりました。その結果、複数のアプリケーションソフトが同時に動作できるようになりました。Dosの環境では、アプリケーションソフトは万能の性能が要求されます。スキャナーを駆動し、スキャンデータを取り込み、色まとめをおこない、画像を作成・編集し、プリンターを駆動しプリントアウトをし…。昔のソフトはすべてをカバーできなければならなかった。Windowsになると、これらの作業を複数のソフトが分業できるようになった。スキャンとかプリントアウトとかはWindowsに任せることができるようになった。

当時ぽつぽつと出現しつつあったWindowsソフトと称するものは、Dosの考え方を引きずっており、すべての作業が一つのソフトでできるというのが基本だったように思う。

I社の場合、さらに一歩進めて、色分解するソフト、画像編集するソフト、織・編の風合いを表現する(シミュレーションともいえるかも)ソフト、いろいろな配色を作成するソフト…というように、複数の独立したソフトにし、お客様が必要とするソフトのみを購入する方式にしました。それまで300万円、400万円で販売されていたソフトが、20万・30万から購入できるソフト群になりました。

1997年、アジアの繊維産業の中心は大阪でした。大阪で繊維機械展(OTEMAS)が開かれ、I社も上述の新しいコンセプトのソフトのお披露目を行いました。来場者にも大いに関心を持ってもらい大盛況でした。ただ残念ながら、私の力不足もあり、日本のお客様に大量に売れるということはありませんでした(韓国、台湾、インドネシアなどアジアの各国にはかなり販売できたようです)。その時、島精機の営業、技術の方が大勢見学にいらっしゃいました。それもチラ見とかではなく、ちゃんと名刺を出して、自己紹介をして、「見学させてください」と挨拶をして見学されました。「さすがは世界企業」と妙に感心したものです。

いずれにしても、Windowsの特性を活用した当時としては先進的な試みであったと思います。島精機さんは、確か、当時はまだ「専用機」を使ってらっしゃったような気がします。当時島精機さんのユーザーさんに聞いてみると、「織物(実物)をスキャンして、経糸・緯糸の色を実際の色から変更して多くの配色を作成・提案できる」という機能に魅力を感じていらっしゃるユーザーさんが多かった(今でも、その機能を使いたいために島精機のソフトを購入したというお客さんは結構多いように思う)。実は、I社の Easy Jacquard というソフトはその機能に特化したソフトで、30万円くらいで購入できたのですが…
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ジャカードデータ作成

今回はジャカードのデータ作成について。

ジャカードって、緯糸を挿入するときに、どの経糸を上にし、どの経糸を下にするかということを制御する機械ですから、要するに、OnかOffか1ビットの世界です。「ジャカードのデータを作成する」っていうことは、難しそうに聞こえて、実はs白黒2色の絵を描くことと等価です。したがって、2色の絵が描けるソフトであれば、どんなソフトでもできることです。たとえば、Windowsに標準でついてくる「ペイント」でも、ジャカードデータを作ることは可能です。

ですが、それは、単に「物理的にはできる」ということです。実際問題、「ペイント」では売れる商品を開発することは不可能でしょう。(笑)

ジャカードという機械が200年余前にフランス発明されて以来、ヨーロッパを中心に多種多様なジャカード織物が工夫され、それぞれの織物に適したデータ作成の作法が編み出されました。「作法」というのは、要するに、どうすれば、少ない労力で、しかも、魅力ある織物を設計できるかというノウハウの積み重ねと、そのノウハウに従って織物設計をする「手順」みたいなもの…。それに則って開発されたソフトを使えば、より簡単に、より生産性の高い方法で、より魅力的なデザインを開発することができるでしょう。

まあ、それはどんな分野でも当たり前で、「プリント」にはプリントの作法があり、「編み物」には編み物の作法があるでしょう。門外漢には想像もつかないような「作法」があるのではないでしょうか?

それぞれの分野のソフトはそれぞれの作法に則って開発されています。「何でもできる」魔法のソフト(ジャカードもできる、プリントもできる、ニットもできる…)があればそれはとても便利なのでしょうが、結構ハードルが高いのではないでしょうか?私は…、今まで見たことがないですね。

さて、20年くらい前にも「ジャカード織物もできますよ」という触れ込みでソフトを販売していたメーカーさんがありました。でも、15年くらい前でしたかね、それを信じて購入したお客様が、何社かウチに駆け込んで来られました。「そのメーカーが一方的にジャカード織物のサポートをやめてしまって、困った」と。そのお陰でウチのソフトをご購入いただけたので、まあ、ウチとしてはよかったのですが…。

最近、同じメーカーさんが、再び、「ジャカード織物もできますよ」と言ってらっしゃるようですが…。
プロフィール

誇大

Author:誇大
こんにちは、誇大です。織物用の設計ソフトを販売しています。次世代の織物(炭素繊維・アラミド繊維【ケブラー】、ガラス繊維使用の3次元織物、くもの糸も有望かも)用ソフトもあります。
日本の織物業界のお役に立てれば…と思っています。
私の妄想にお付き合いお願いします。

時間があったら、うちのホームページもよろしく。
http://www.visionjp.co.jp

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